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上野からオランダへ

気持ち的にはヘッドスライディングの滑り込みセーフで、お会いしてきました。

東京上野の森美術館では、いよいよ2月3日までとなった「フェルメール展」

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43歳で亡くなり、残した作品はたったの35点という寡作なフェルメール。

全世界に散らばったその全35点のうち、9点が来日ってやっぱりエライコッチャです。

「日本でも人気だし、ナンダカンダいつも来てるし…」って思っても、ノン!
初期から晩年の作品まで、一つの空間にこれだけズラリと並ぶこと自体、奇跡です。

「また今度」じゃなくて、いま見て何を感じるか、大事にしたい。

名画は永遠だけど、自分は変わっていくし。

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石原さとみさんの音声ガイドもバランス良く素敵でした。

「当時の絵画の人気テーマは若い無垢な女性の誘惑で」
「黄色い上着はフェルメールのお気に入りで、全作品中6点も」
「硬くなったパンをミルクに浸して、パンがゆを作ろうとしているのでしょう…」

などなど、そっと耳打ちされているかのような。

石原さん、がっしりした「牛乳を注ぐ女」というよりも、
フェールメールが描いた可憐な「真珠の耳飾りの少女」のよう。

オランダへ旅した際の記憶も蘇ってきました。

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オランダ旅行の際に訪れた マウリッツハイス美術館 。
「真珠の耳飾りの少女」 は驚くほど小さな展示室にひっそりと。

写真撮影もフラッシュなしならどうぞ!ってのも、オランダらしい寛容さ。

人びとがどんな表情で名作を味わっているのか、それを鑑賞するのもひそかな楽しみです。

展示室にじっとたたずんでいると、
やがて自分以外の誰もいなくなり(警備員さんでさえ!)、
彼女と二人きりになる瞬間がやってきます。
部屋のどの位置から見ても、その何か言いたげな眼差しでじっと見つめられているよう。
ちょっと震えます。

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この絵の真正面に位置するのが、フェルメールが故郷デルフトを描いたこちら。

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ちなみに、わが家のキッチンにもデルフトのタイルが、
その第二の人生をひっそりと過ごしています。

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音声ガイドを受け取る最初の部屋の足元、ぜひチェックしてみて下さい。
このタイルだらけで、「おーっ!」と盛り上がりました。

デルフト。
いたるところに運河が走る、それは小さくも美しい街でした。

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フェルメールが眠る教会。

43歳で亡くなった当時は、こんなに小さな墓碑だったんですね。
没後は次第に忘れられ、19世紀に再発見され、改めて評価されるようになったとか。

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その後、碑もこんなに大きくなりました。

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さすが乳製品の国。
チーズ屋さんも圧巻の品揃え。
パンとワインによく合います。

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そうそう、私が大好きなフェルメールのパンにまつわるお話。




長生きしてもらって、もっと沢山の作品を描いて欲しかったけど、
11人という子沢山で、借金もたくさんあって、本当にいろいろ大変だったのね…。


ベルギーまでの帰り道に通った風車たちがたまらなくオランダを感じました。

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最新式の風力発電機もものすごい勢いで回っていました。


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