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「魔女の宅急便」パン屋さんの「なじみ」になるまで [ベルギーでの暮らしとヨーロッパの旅]

「いきつけのお店」って憧れませんか?

カウンターに座ると、顔なじみの店主さんが何も言わずに、
スッと「いつもの」を出してくれる…ってアレです。

かっこいいバーでも、近所のラーメン屋さんでも、行きつけが欲しいなぁ…
いつかどこかで常連さんになりたいなぁ…と、ずっとぼんやり憧れていましたが、
ベルギーの地であっさりその願いが叶いました。

地元の人に愛される近所の小さなパン屋さん。

初めて入った時は、「わ、魔女の宅急便のパン屋さん!」と、その可愛さに胸躍りました。

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「こんなお店、毎日通いたい!」という気持ちと、
取材での「パンは生鮮食品です!」というパン屋さんの言葉を思い出したのと、
「そういやムスメのお弁当用のパンも必要だし…」と、
なんだかんだで3日連続で通いました。

買ったのは、お弁当用のコッペパンと、大好物のレーズン入りスコーン。
外はさっくり、レーズンぎっしり、中はしっとりと、絶妙なおいしさなのです。

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3日目にして「あらま!おはよう!」と顔を覚えてもらい、
4日目にして、「今日もスコーンと、コッペパンね?」と、
自分のお気に入りを覚えてもらいました!

なんとも、じんわり、嬉しい。。。
ああ、これだ。これに憧れていたのですよ。

意識したのは、2つだけ。

ひとつ目は。
何はともあれ、笑顔でご挨拶。
こちらがブスッと無表情では、相手も最低限の接触しか持とうとしません。
そりゃ当然といえば当然ですよね。
笑顔の「ハロー!」これがなにより大事。
「わたし、あなたに開いてますよ!」と最初にして大切なサインになります。


そして、ふたつ目は。
ただ黙って買うんじゃなくて、
「好きなんです!」と、言葉にして相手に伝えること。

もちろん、相手の置かれている状況をしっかり観察、推しはかること。
ドタバタ忙しいときは、気持ちの押しつけになっちゃう時もありますからね。

私は、こんなことを言ってました。

「昨日買ったスコーン、美味しかったです〜」
「コレ、ムスメが大好きで一口もくれなかったんですよ…(苦笑)」
「おはようございます。また来ちゃいました!」

など、一言ちょっと付け加えるだけ。

「売る人&買う人」というよりも、
「あなたのこと、好きなんです」ぐらいの感覚に近いと思います。

お辞儀やマニュアル的「いらっしゃいませ」も、
ましてや「お客さまは神さまだ」という感覚もお互い一切なく、
ただ、相手に敬意と感謝を払い、お金とおいしいパンを交換するだけ。

無表情でやりとりするよりずっと嬉しいし、とにかく気持ちが良い。

このシンプルな法則、
お店とお客さんという立場だけじゃなく、
どんな人間関係にも当てはまるような気がします。

人の良いおかみさんは、いつも愛想の良い素敵なお方。
「魔女の宅急便」に出てくる「おソノさん」からチャキチャキ要素を抜いたおっとりさん。

「あの、すごく素敵な店内なので、写真撮らせてもらえますか?」
「もっちろんよー!!」
「よろしければ、ご一緒にいいですか?」
「え?あらあらまあー!」

で、上の100万ユーロの笑顔。
とろけますー。

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また来ますね。


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NHKラジオ「英語で読む村上春樹」

読んでいるのは、1985年マリ・クレール誌に発表された短編「パン屋再襲撃」。


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いよいよ物語は終盤戦。
「呪い」を解くために、妻とパン屋を再び襲うことになった主人公の「僕」。
深夜の東京をパン屋を求めて中古のカローラでさまよいます。

「あのマクドナルドをやることにするわ」
「マクドナルドはパン屋じゃない」
「パン屋のようなものよ」「妥協というものもある場合には必要なのよ」

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ということで、テキストを読みながら、近所のマクドナルドで朝活中。

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店内Wi-Fiの表示も「ワイ-フライズ」と、なんともフライドポテト発祥の国らしいのです。
電波のデザインも、ポテトでした!

毎週日曜よる11時ー
毎週土曜おひる12:10分ー(再放送)

番組サイトから、ストリーミングでも聞けますよ。




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