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「いつもの声」ができること

映画『ラジオ・コバニ』
公開記念トークイベント無事終了しました。
たくさんのお客様にご来場いただき感謝です。

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ご一緒したのは20年前のDJデビュー同期、武村貴世子さん。
現実が理想にことごとく追いついていなかった大阪FM802での新人時代、
泣きながらお互いを励まし合った大切な仲間です。
(現在、神戸のKISS-FMで活躍中の浜平恭子さんも!)

国連UNHCR広報委員としての体験談、社会への思いに胸が熱くなりました。
その横顔、かっこよかったよ。

生の熱、緊張感、こぼれ出してくるドキュメンタリーでした。
もちろん映画として構成されてはいましたが、
監督が意図していないところからも、
色々なものがこぼれ出てくるようでした。

争いを止められない無力感や矛盾。
誰かと支えあいながら生きることについて。
日々の暮らしの中で、どんなものに希望を持つのか。

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武村さんと話しながら思い出したのは、
そして今朝さらに詳しくよみがえってきたのはベルギーでの記憶。
娘の学校の送り迎えの路面電車でいつも一緒になったシリア人のパパ友のこと。

いつもとりとめもない世間話をしていましたが、
「そういやあなたの地元ではこの時期、どんなお天気なの?」と何気なく聞いたら
「実は僕たち、シリアから来たんだ」と聞いて、
「そう、それは大変だったね…」としか返せませんでした。

そのあとの言葉が見つからず、彼も黙ってしまって、
会話が途切れて、停留所に着いてホッとしたような、
でも何も言えなかった自分の知識の無さ、情けないような気持ちになりました。
その辛さ、その時は、ぼんやりとしか想像できなかったのです。

今回、このドキュメンタリーでは、
主人公の女子大生のDJが母親と料理を作ったり、パンを買ったり、SNSをしたりと、
人々の日常の暮らしを映したシーンも出て来ます。
それは私たちと変わらない、日々の営みそのもの。
その「日常」を突然奪ってしまう戦争の凄惨さ、不条理さに、胸が詰まりました。

まだ続く内戦、外からの攻撃と、傷ついているシリア。

そんな状況の中で「いつもの声」という希望を届けるディロバンが眩しかった。

「聞いた人の気持ちが少しでも軽くなるように」というラジオの本質をはじめ、
同じラジオDJとして、沢山のことを教えてもらいました。

世の中はまだ自分の知らないことばかり。
「自分とは関係ないし」「興味ないし」と、スルーするのは簡単ですが、
現実を知ることで、人生も幅広く豊かに変わっていくものだと信じています。

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映画『ラジオ・コバニ』
引き続きアップリンク渋谷、ポレポレ東中野で絶賛上映中です。


次回のトークイベントは、27日(日)。
佐藤慧さんにバトンをつなぎます。





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インスタグラムもやっています @hideshimafumika



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